裏風俗ぶらり旅

#7 五条楽園(京都)

日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!

#7 五条楽園(京都)

#7 五条楽園(京都)

古い町並み、一品料理屋で…

「おザブ どおどす」
ちょうど、オカミとの会話が一段落して、狭い店の中にほっとした雰囲気が流れたところで、ニコニコというよりも艶っぽいというか色っぽいというか、そう艶冶な表情を浮かべながら軽く誘うようにオカミが言った。
「そおか、ほなら一枚もらおうか」

表の入口には〝一品料理〟と店名と一緒に書いた看板がでている間口一間ほどのマジに小さな小料理屋である。
店の背後には鴨川の清流が広い河原のあいだを流れていく。その向こうには東山の峰々が薄墨色のシルエットになって望見できる。ああ、やっぱり京都に来ているんだぁ…!そんな感慨には浸っていません。いや、そんな心のゆとりなどあるわけありません。ともかく旧交を温めての人肌の温かさを感じながらの一発を決めるまでは!ね。

ともかく衆議一決すれば、二階に上がって彼女とニャンニャンなのである。この辺は京の街の店とはいっても、なんとはなく気忙しいかもしれないけれど、それは御愛嬌ということで。

知る人ぞ知る、風情のある色街

知る人ぞ知る、風情のある色街

日本一風情のあるチョンの間街

五条楽園の入り口

五条楽園の入り口

ここは間違いなく古都の京の街である。それもほぼ街の真ん中ともいえる四条河原町をちょいと南に下った五条河原町を左に入ったところ。
森鴎外の小説で知られる高瀬川の細い流れを渡ったところにある「五条楽園」という、いま現在ニッポンにあるチョンの間街のなかで最も風情のある色街の一画なのだ。

その五条楽園のなかでも河原町のほうから入ってすぐのあたりには、大きな家構えのとてもレトロなお茶屋の造りそのまんまの店が何件も並んでいる。これはまたこれでメチャ風情のあるものではある。そしてこれらの店では入り口に海老茶色をした暖簾が下げられているのだが、その前を通ると奥のほうから「ニイちゃん 遊んで行きぃ」とかいう声がかかってくる。思わず“う~ん 俺はいま色街のなかを歩いているんだな”ということを知らされたりするものだ。

そして、そんな入口近くのお茶屋風チョンの間も良いのだが、そこからさらに路地を伝って楽園の奥のほうへと入っていくと、時には稽古をする三味線の音がしたりして、また何処かで焚くお香の香りが漂ってきたりして。なんとも京都なのでおます。

オカミと打ち解けることが第一歩

それはさておき、楽園の奥には鴨川の堤に出る直前に、まるで賀茂の流れを背にするようにして一列になって間口の狭い小さな格子戸の店がなんとなく並んでいる。こちらは殆んどが料理屋を名乗っているけれども、それは多く一見さんとかの場合に限ってそうなのだ。いや何度も飲みに通っても店のオカミに警戒されては、なかなか味わい深い話は振られてこない!

店側とどう打ち解けるかが、まずはこの一品料理屋での遊びの第一楽章なのである。上手くいけば一発でOKの時もあれば、いくら通っても全然話も出ない時もある。それが面白い。

オカミとの駆け引きがおもしろい

オカミとの駆け引きがおもしろい

でも、お洒落でしょう。「おザブ どうどす」なんて。今どきこんな気のきいたというか気を持たせるというか誘い方をする場所は他にありません!説明するまでもなく、このおザブとはチョンの間稼業では必需品の座布団のこと。要はこれを二枚繋げて敷いて、その上で事に及ぶ。

色白の京美人がお酌をして、そして…

色白の京美人がお酌をして、そして…

色白の京美人がお酌をして、そして…

にしても、この一品料理屋のオカミのうちの何人かは間違いもなく京美人が紛れこんでいて、色白、瓜実、富士額、なで肩のほっそりとした手弱女さんなのだ。その彼女がかいがいしく料理を出してくれて酒の酌をしてくれる。そして頃合いをみて色っぽく艶っぽく誘ってくれるのである。

京の街の色里の、そのまた奥の小料理屋。ここの遊びを知っている人は地元の人でもそうはいないのでは。一度は覗いてみるのも一興かと。ついでに老婆心ながら、こちらのお遊びのお代について触れておくと、食べて飲んですべて込みで大三枚で事足りました。

岩永 文夫

岩永 文夫

1948年東京生まれ。風俗評論家。音楽雑誌「新譜ジャーナル」(自由国民社)編集長を経て、80年代より夕刊紙、 週刊誌などの風俗評論で活躍。著書:「フーゾク進化論」(平凡社)、「フーゾクの経済学」(ワニのNEW新書)など。

◆著書紹介

フーゾク進化論 岩永 文夫(著)

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戦後60年、大きく進化し続ける「フーゾク」の歴史を、取材をもとに縦断的に紹介。

フーゾクの経済学―欲望産業の原価がわかる本 岩永 文夫(著)

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女の子や経営者の取り分はどうなっているのか、高級店と大衆店のサービスの違いは何か、芸者の時給3714円は高いか安いかなど、フーゾクに絡む経済のすべてを紹介。

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