裏風俗ぶらり旅
日本全国を旅する風俗評論家・岩永文夫氏が各地の裏風俗や温泉、酒、うまいもの、観光地などを紹介する旅情いっぱいのコラムです!
#19 弥彦温泉(新潟県)
夏のギャンブルは、のんびり旅行気分で
自然に囲まれた村営の弥彦競輪場
夏競馬という言葉がある。そして夏競輪という言葉があるのかどうかは分からない。
それでも夏に競馬をやったり、競輪を楽しんだりするのって、日頃のギャンブルとは少し違ったような感じがする。どこかのんびりとしていて、どこか休日的であって。それに開催地にまで行かなければという旅行的な要素も必要な気がする。
というのも記者にとって夏競馬というと競輪もだが、何故か新潟をいつも思うからである。新潟には豊栄(とよさか)に競馬場があって例年7月中頃から9月頭まで開催しているし。競輪も弥彦(やひこ)にあって7月にはGⅠレースもあるし、間違いなく適当な間隔で開催されている。
だもんで、7月8月の夏場にはフラリと足がそちらの方へと向いてしまうのだ。もちろんギャンブルだけが新潟行きの楽しみではない。そこには、とらぬ狸の皮算用があってバクチで儲けたら、ひとつ地元の新潟美人と遊んでやろうという邪な考えも潜んでいる。
何しろ去年の5月には競馬で671万1890円もの大穴が出たくらいなのだから。これはもう豪遊が出来るぞ、とばかり毎年夏になると新潟へと出かけるのだ。
観光地で御当地あそびをマンキツ
で儲かったことあるの?と聞かれると答えはいつも「だったら出かける前も、帰ってきてからも、こんなに仕事はしないよ!」と分かったような、分からないようなことを呟く記者なのです。でもさ、外れたら駅近くのホンサロに行けばそれなりに安く遊ぶこともできるしネ。
それはさておいて記者が御当地で好きなのは新潟の街からはちょい遠いけれど、競輪のほうである。というのも、こちらは弥彦の村のなかに競輪場も、お遊びも、どちらもが揃ってセット(?)であるからだ。そして日本でたった一つしかない村営競輪場のあるこの村は、また弥彦神社と弥彦温泉で知る人ぞ知る村でもある。
すぐそばには競輪場がある弥彦神社
正式には新潟県西蒲原郡といって県のほぼ中央の、やや日本海側にあって弥彦山の麓の穀倉地帯でもある。たしか山にはロープウエイがあって、頂上に登ってあたりを見渡せば風光明媚(ふうこうめいび)な国定公園の中の観光地でもあるはずなのだが。記者はバクチとオンナ以外にはあまり興味がないので、こちらの方は至って疎い。悪しからず。
そこに越後の一の宮・弥彦神社があって、その門前町が弥彦の村なのである。こちらに東京方面から行くとしたら上越新幹線に飛び乗って二時間弱で着く燕三条(つばめさんじょう)で弥彦線に乗り換えて二十分ほど。さして遠い旅でもないだろう。もし車なら東京から300キロほどだから4時間もあれば着いてしまう。北陸自動車道の三条燕インターで降りてから30分ほどである。
そして村の中央ともいえる弥彦神社の門前に二十軒ほどの旅館やホテルなどの宿泊施設がある。それに紛れるようにして土産物屋とか飲食店だとかスナックといった温泉には付き物の店が並んでいる。とは言ったって鄙(ひな)びた感じの小ぢんまりした温泉町なのである。
「イッパツ」当てたら芸者姐さんと楽しもう
越の広野の 根雪も解けて さっと ひとはけ 春がすみ(弥彦小唄) なのだそうだ。これって粋かどうかは知らないけれど、何となく色っぽいよネ。こんな小唄を歌ってくれちゃうのは芸者のお姐さんなのだ。
ここで遊ぼうというのは、もちろん芸者あそびである。でも、それって高いんでしょう?と引くことはありません。いきなし料金の話をしちゃうと、花代ないしは玉代(タマダイではないギョクダイと読もう)これが芸者のお姐さんを読んで遊ぶ料金なのだが。基本が90分で9600円。延長したって30分毎に3200円だ。
県外不出のツウ好みの銘酒「鶴の友」
それに、お座敷は自分の泊っている部屋で飲めや歌えの宴会をお姐さんと二人でやればよい。記者の場合は新潟ならば県外不出の銘酒の「鶴の友」を飲みながら御当地特産の枝豆をツマミにする。さもなくばノッペイ汁なんていう地の野菜の沢山入った汁物で。
そのお姐さんが気に入ったらアフターアワーズの相談をすればよい。適当なところで花代は仕切ってもらって、外で待ち合わせる。たいていは近くのスナックで落ち合って軽く一杯飲んでからラブホへしけ込むのだ。一応、自分の泊っている宿泊施設では法律上、Hをしてはいけないことになっている。
でもなかには気のきく、というか話のわかるお姐さんもいることはいるけれど、無難なところは外でヤリませう。先日そうしたら石和温泉でマジ表のブドウ畑のなかでサセてくれた人がいた。
閑話休題、以上の手順で芸者遊びは楽しむのだが、お姐さんへの感謝の意味を込めての一発代が3万円ぐらいを含めても、これで〆て6万円といったところか。これなら吉原の高級ソープのプレイ代と、ほぼ同額である。
としたらチャリンコ(競輪)で、何とか頑張って稼いでと記者はいつも思うのである。
その結果が帰京後のハードワークになったとしても、弥彦での心優しい新潟美人とのめくるめくような(とは、ちょいオーバーな表現かな)楽しい夜を思い出すと。また来年も通ってみたくなる。
弥彦バンザイ!競輪バンザイ!お姐さんバンザイ!記者サイテー!なのであります。
岩永 文夫
1948年東京生まれ。風俗評論家。音楽雑誌「新譜ジャーナル」(自由国民社)編集長を経て、80年代より夕刊紙、 週刊誌などの風俗評論で活躍。著書:「フーゾク進化論」(平凡社)、「フーゾクの経済学」(ワニのNEW新書)など。
◆著書紹介
フーゾク進化論 岩永 文夫(著)
価格:¥840
戦後60年、大きく進化し続ける「フーゾク」の歴史を、取材をもとに縦断的に紹介。
フーゾクの経済学―欲望産業の原価がわかる本 岩永 文夫(著)
価格:¥680
女の子や経営者の取り分はどうなっているのか、高級店と大衆店のサービスの違いは何か、芸者の時給3714円は高いか安いかなど、フーゾクに絡む経済のすべてを紹介。